posted at 2009 12 3 05:58 PM | 日記 | comments (0) | trackback (0)


きょうはKTMの誇るE3クラスマシン525EXC-Rのおはなしです。

その525EXC-R・・・。
■ぼくの旧いエンデューロ仲間であるトレールランナーズのSくんの厚意で、彼のところからこちらのガレージに持ち帰り、このところライドさせてもらっているとのおはなしを以前したかと思うのですが。
■同じKTMでいえば250EXC-Fや125EXCなどのライトウエイトに対するビッグボアにあたるマシンで、ライトウエイトにはないビッグボアならではのおおらかな乗り味もなかなかだというようなこともおはなししていました。
■そんなある日のことですが、ぼくのブログをご覧になってくださっているある読者の方から「ちなみに4スト450cはビッグボアではないのでしょうか・・・」というおはなしをいただきました。ちよっと面白いテーマだと思ったので、ここでも改めておはなししようと思います。
■で、その4スト450ccですが、もうひとつの4スト250ccともに、どちらももともとヨーロッパのエンデューロ(モトクロスもそうですが)にはなかったカテゴリーで、かつての2スト80/125/250と4スト500(実際はオープンクラスで2ストの350ccや、500ccなんて化け物のようなマシンもありましたね)のころに、その重量級ともいうべき4スト単気筒500ccのマシンや2ストの500ccなどオープンクラスのマシンを、親しみとある種の畏怖(当時のビッグボアは今とは違い、一般ライダーにとてもは乗れないしろものだったと思います)を込めて「ビッグボア」と呼ぶようになったのがその起源ではないでしょうか。
■その流れでいうと、近年になって誕生した4スト450ccはビッグボアとはいわないようにも思うのですが、興味深いことにスペックで見るとKTMの400/450/530はすべてボア値は95mmで共通ですし、BMWのG450Xなどは、450ccながらKTMの530EXCよりもビッグボアの98mmもある(450的にはKTMがロングストロークで、BMWがショートストロークといったほうがよいと思いますが)ことを思うと、最近のマシンは500ccオーバーのシングルでも必ずしもビッグボアではないというのが本当のところではあるのですが、昔からの慣例としてオープンクラスの重量級マシンをビッグボアと呼んできたところがあるようです。
■また、その450クラスのマシンと500オーバーのビッグボアですが、エンデューロの世界選手権やモトクロスの世界選手権などを見てもわかるとおり、パォーマンス的には450クラスのマシンのほうが間違いなく上で、文句なしの最強最速といってもいいのがこのクラスのマシンだと思います。ただモトクロスの世界では乗り手が扱えないほどマシンが進化してしまい、排気量を450ccから350ccにスケールダウンさせようという動きもあることは、レース通の方なら、すでにご存知のことでしょう。
■お話は少しかわりますが、ビッグボアといえば、ホンダのXR600RやXR650Rといったデザートバイクもも忘れられないマシンですよね。残念ながらどちらも所有したことはないのですが、雑誌の企画や知人のマシンに試乗したりして、何度か乗ったことがあります。いずれもホンダXRシリーズの流れを汲むとてもいいバイクだったのとともに、そのホンダXRシリーズの旗艦=フラッグシップとしてシーンに君臨したマシンでした。ぼくはXRは400Rと250Rに乗っていた時期もあり、前にもおはなししたとおり、実はけっこうな隠れXRファンだったりもするのですが、その400Rや250Rとともに、600R&650Rも今でも忘れられない特別なバイクです。
■そんな当時の4スト車は、セルフスターターを持つ最近のマシン異なり、キックスタートオンリーだったので、大排気量ともなるとおいそれとは始動できず、下手すると「ケッチン」で痛い思いをした・・・なんてほろ苦い経験をお持ちの方も、ぼくと同世代の方のなかにはきっと少なくないのでは。でもそれもまた、かつてのビッグボアを特別な存在としていた大きな要因のひとつかもしれません。
■そのケッチンですが、今ではもうほとんど伝説ですね。それだけに、最近のひとはビッグシングルをキックスタートで始動できないという方がほとんどでは。特にデコンプのないエンジンなど上死点を探してからでないと、キックを踏み降ろすことすらできないですからね。
■そう思うと、今の4ストはなんとも楽になったものです。ぼくの手元にある525EXC-Rも、セルボタンひとつ押すだけで、まるでスクータよろしく何事もなかったかのように始動してくれ、以前のそれに比べると、近寄り難さも減ったような気がします。
■もっとも、乗りはじめて少し時間がたったので、最近はそうでもないのですが、Sくんのところからこちらのガレージにきた当初は、525EXC-Rに乗った翌朝は、起きてみると珍しく全身バキバキ・・・。まだマシンに体が慣れていなかったことももちろんあるとはいえ、やはりエンジンのパンチ=破壊力は半端ではないようで、体にくる=手強さ=スパルタンという面では、ツインのHP2 enduroや950SER以上かもしれません。
■大きくて重い=マスのあるヘビイウエイト=ビッグオフも乗りこなすのは難しいですが、525=ビッグボアはそれとはまた違った難しさがあるようです。ライトウエイト=250なら、まるで自転車に乗っているようにイージーに扱えるのですが。
■反面やはりこれならヘビイウエイトにもすんなりスイッチできるのもわかりますよね。ビッグオフ乗りのセカンドバイク=練習機としては、ビッグボアはけっこう相性のいい存在ではないでしょうか。ライトウエイトの軽さも、もちろんひとつの乗り物としては、とても魅力的ではありますが。
■あと、このSくんの525EXC-Rについてですが、ライドしてみてサスペンションの良さにも驚かされました。
■「まつもとさん、これ絶品ですよ、いじってあります。まずは黙って乗ってみてください」と、Sくんから聞かされていたそのサスですが、なるほどその言葉通りで、前後ともにレーシングスピードに対応した強めのセットアップではあると思いますが、かといって嫌な堅さはどこにもなく、初期から中間のしなやかさと奥でのふんばりが見事に両立しています。加えて全域での接地感も見事なもので、モディファイ=リバルビングの効果をしっかりと体感することができました。
■聞けば、このサスペンションモディファイは、モンドモトの市川くんの手によるものだということで、さすがというか、その仕上がりの良さは、彼のこれまでの修行と研鑽の賜物ではないかと思ったの同時に、こんな素晴らしいサスペンションフィールに実際に接することができたのは、いちオフロードライダーとして最高の幸せ以外のなにものでもないでしょう。
■また、外観からはその存在をまったく伺うことはできませんが、密かにエンジン内部に仕込まれたイタリアの逸品STMのスリッパークラッチもやはり効果抜群ですね。
■・・・と、そんなんなで、ビッグボアはこれまでほとんど経験がなかったカテゴリーですが、この冬は、ますますはまってしまいそうな予感。
■特に現行530EXCに比べると、エンジンも車体も一世代前となるこの525 EXC-Rならではの、ちょっと大味で武骨なエンジンフィーリングや大柄な乗車感が、今となってはなんとなく「セミオールド」な感じで、結果ちょっと前の時代のマシンに乗っているという感覚も、525EXC-Rの面白さになっているような気がします。
■そういえば、冒頭でおはなししたこの525EXC-Rを始め、現行400/450/530の3台を含むKTMの250EXC-Fを除く4ストエンデューロに採用されている「95mm」というボア値。
■その値がちょっと気になり調べてみると、なんと今から20年以上も前の初代LC4・600(95×78mm=553cc)のボア値と同じでした。
■そのストロークをあと3mm短くすれば、エンジンこそ違いますが今の525EXC-R(530EXC)と共通の95×75mm=510.4ccとなり、ボアスト値や排気量が、かつてのLC4・600ととても近いことがわかります。525EXC-Rユニットのなんとなくレトロなフィーリングというのも、こういう事実にいきあたると「なるほど」とわかるような気がするのとともに、それがぼくには妙に懐かしく思えるのは、昔その初代LC4・600を所有し、長らく乗っていたことがあったからなのかもしれませんね。
■ちなみに今おはなししたKTM4ストロークの95mmボアについて資料にあたっていて気づいたことがもうひとつあって、現行最新の400EXCの新しいボアスト値95×55.5mmも、かつてのLC4・400の95×56.2mmと酷似しているということで、KTMがLC4の初代600ユニットと並び今でも名機と謳われるこのLC4・400に近いボアスト値を現代のマシンで復活させているというあたりもとても興味深いというか、これはある意味ひとつの先祖返りといっていいことなのかなと思ったりもしていました。
■余談ですが、KTMのそのLC4といえば、初代600から現行690のひとつ前の640まで、過渡期に登場した620ユニットを別にすれば一環して78mmストロークが採用されてきたことも忘れることができませんね。
■今もおはなしした「95mm」ボアともあわせてこの「78mm」ストロークも、KTMにとっては、きっとマジックナンバーなんでしょう。
■でも、エンジンのボアスト値というものには、どこのメーカーにもそうした「黄金律」ともいうべき数値が、あるんだろうと思います。
■と同時に、かつての初代LC4と525EXC-Rのボアスト値が酷似していることに気付いてからは、525の武骨でおおらかな感触に、ますます愛着を感じられるようになりました。
■写真はその525EXC-R(トレールランナーズSくん号)の前後サスペンション。重ねていいますが、モンドモト市川くんの手によるリバルビングは本当に素晴らしいものとなっています。
■そして、もうひとつは同525EXC-Rの走り。ライディングは、ぼくの旧いGS仲間であるIさん。そのパフォーマンスは、もはやいぶし銀の境地かな。
というわけで、みなさん、また明日・・・。(今日は朝から冷たい雨で、ライディングにでかけることはできませんでした。明日は一転回復するとのことなので、きょうのぶんまで走りたいと思っています。週末の天気はどうなんでしょう。雨さえ降らなければ、この週末は千葉自主トレコースにてまた個人練習にでかけるつもりです。ジョイントできる方は現地にて)






■本日のアルくんアーカイブ
http://www.matsumotomichiharu.com/2008/05/09-152400.php
■today's my belongings(モノに宿る精霊のささやき)アーカイブ
http://www.matsumotomichiharu.com/2008/05/09-152500.php
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本日のコラム&フォトギャラリー
●フォトギャラリーを更新しました。過日でかけてきたBOGT春合宿の下見から。
http://www.matsumotomichiharu.com/photo/
●稲作群青のかわだくんによる群馬の田んぼからの「稲作便り」を更新しました。不定期連載の「純米酒紀行」のvol.3と、11月8日に開催予定のプチモトアグリツーリスモのおさそいです。
http://www.matsumotomichiharu.com/nature/
●「ミチハル的ライディング生活の手引き」を更新しました。以前フリーペーパーなどに寄稿した「乗らないという選択」についてのコラムを一部加筆修正して再録しました。
http://www.matsumotomichiharu.com/car/
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インフォメーションボード(オンザロードからのおしらせです)
NEW●BOGT22が無事終了しました。参加者のみなさん、講師のよしともさん、お疲れさまでした。詳しくは下記をご覧ください。今年のBOGT通常開催はこれで終了となります。来年最初の開催となるBOGT23は2010年1月31日を予定しています。このほかにも今年開催して好評だった合宿やキャンプも行いたいと思っています。さらに1月には2010年BOGT説明会,4月にはBOGT主催による初の試みとなる全国のビッグオフビギナーのみなさんを対象にした集まり=BOGTミーティングも行います。みなさん、来年もまたぜひBOGTでご一緒いたしましょう。
http://www.matsumotomichiharu.com/2009/12/01-145200.php
●BOGTの秋合宿が無事終了しました。参加者のみなさん、おつかれさまでした。今年はじめて企画して好評だったこの合宿。来年もまたやりたいと思っています。
http://www.matsumotomichiharu.com/2009/10/22-134200.php
●BOGTの合宿が4月25/26日に無事終了いたしました。詳しくは下記をご覧ください。
http://www.matsumotomichiharu.com/2009/04/29-202300.php
●BOGT新年会が1月18日に無事終了いたしました。参加者のみなさん、幹事のT羽さん、開催にご協力くださったH口さん、そして会場のケーズさん、ありがとうございました&おつかれさまでした。来年からも恒例の行事にしていきたいと思っています。詳しくは下記をご覧ください。
http://www.matsumotomichiharu.com/2009/01/21-175800.php
●11/30に開催されたBOADV読者ミーティングが無事終了しました。参加者のみなさん、おつかれさまでした。また機会があればご一緒いたしましょう。
http://www.matsumotomichiharu.com/2008/12/05-110000.php
●11/2 KTM埼玉南、11/3南海部品南東京店、11/8ヤナセオート(群馬・高崎)でのBOADVのフェアが無事終了しました。会場をお借りした各ショップさん、お世話になりました。
http://www.matsumotomichiharu.com/2008/11/09-011300.php
●10月31日発売のBOADVvol.3 2008年夏/秋号について、お近くの取り扱い店などの詳細をご希望の方は、オンザロードまでメールにてお問い合わせください。
●また確実に入手することをご希望される方のために、版元では現在通販を受け付けています。ご発送先となる郵便番号住所氏名お電話番号を明記のうえ、1部400円+送料200円=600円をそえて三文堂企画(〒187-0031 東京都小平市小川東町5-20-31-107)まで現金書留にてお申し込みください。みなさまのお手元までBOADVをお届けいたします。なお売り切れの際はご容赦くださるようお願いいたします。(売り切れのときはご返金いたします)。
●「本日のアルくん」のアーカイブと、「today's my belongings・・・モノに宿る精霊のささやき」のアーカイブを作成いたしました。まだ完全に収録できていませんが、今後時間を見つけて整理を進めます。ぜひご覧ください。
●このブログのコメント、トラックバックについてお問い合わせをいただきました。連日それぞれ一件もないのは、現在非公開とさせていただいているからで、みなさんからのコメントは、毎日楽しく拝見しています。まだまだ書き込み自体は少ないですが・・・。どうぞ、お気軽にブログの感想など、お寄せください。時期を見て、みなさんのコメントなども公開させていただこうかと考えております。
●過日の日記でお伝えした「ARJのTシャツ」をオンザロードでも取り扱うことになりました。詳細は近日中に、このコーナーでお伝えしたく考えています。
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