posted at 2008 1 9 02:32 PM | 車&バイク | comments (0) | trackback (0)


メッツラーの最新タイヤ「シックスデイズ・エクストリーム」に見る
エンデューロタイヤの進化
「極限・究極」という名前を持つタイヤがあることをご存知だろうか。ドイツの誇る世界有数のモーターサイクルタイヤメーカーMETZELER(メッツラー)がデリバリーする最新のFIMエンデューロタイヤである「SIXDAYS EXTREME(シックスデイズ・エクストリーム)」がそれだ。
タイヤのネーミングともなっている"シックスデイズ"とはISDE(インターナショナルシックスデイズエンデューロ)に由来するもので、そのISDEやISDEと並ぶエンデューロ競技の最高峰とされるWEC世界選手権エンデューロなど、長い歴史に支えられた伝統と格式を有する欧州のFIMスタイルのエンデューロ(リライアビリティトライアル)で、KTMファクトリーをはじめ、多くのトップコンテンダーから絶大な支持を得ているのが、このシックスデイズ・エクストリームだ。
欧州のエンデューロはモトクロスのようなクローズドコースではなく、一般公道を含む広大な田園地帯のなかの自然の地形を生かした長いルートを決められたタイムテーブル通りに攻略しながら、途中用意されるテストと呼ばれるタイムトライアル区間でのスピードでその成績を争うもの。それだけに「硬質」「軟質」と路面に対してピンポイント的な高性能を強く求められるモトクロスタイヤなどに比べると、エンデューロタイヤは1本で幅広い路面状況に対応しながら、しかも硬軟どちらの状況でも高い性能が必要とされるが、このシックスデイズエクストリームは、バンクした状態でもタイヤ自体が腰砕けにならないよう新素材のポリエステルカーカスを採用。またソフトでルーズな路面から硬質路面まで、ドライウエットにとらわれず、際立ったグリップ性能とトラクション性能を発揮させるための独自のブロックパターン配列などで、かつてないハイパフォーマンスを実現。昨年のISDEや世界選手権エンデューロでのチャンピオンタイヤとなったことも記憶に新しい。
エクストリームというネーミング通り、激しい「攻め」の走りになればなるほどタイヤがその本領を発揮。今回実走テストの機会を得たが(詳細は下記を参照のこと)、そのパフォーマンスには本当に驚かされた。とともにマシンの進化以上に眼を見張るものがあるタイヤの進化が、近年のエンデューロ競技における走りの進化先鋭化を支えていることにも気付かされる。

これがメッツラーの最新FIMエンデューロタイヤ「シックスデイズエクストリーム」

サイドウォールに誇らしげに記された「METZLER」のレター。KTMファクトリーをはじめとする世界選手権を舞台に極限の路面状況で開発された究極のエンデューロタイヤ。パンクした状態でもタイヤが腰砕けにならないよう、新素材のポリエステルカーカスを採用。ソフトでルーズな路面から硬質路面まで、ドライウエットにとらわれず、際立ったグリップ性能とトラクション性能を発揮させるため、独自のブロックパターン配列を採用しているのが特徴だ


実走テストをかねてHP2 Enduroにセットしてみた。テスト前はメガオフのパワーと車重にタイヤが耐えてくれるかどうかが心配だったが、いざ走り出してみると、タイヤが負けている兆候もなく、マッチングは良好。「エクストリーム」というその名のとおりの驚異的なタイヤパフォーマンスには驚かされることしきりだった
実際に走ってみて・・・
HP2の前後にセットしたツラーテックの軽量強化ホイールにあわせて今回チョイスしたのが、このメッツラーのFIMエンデューロタイヤ「シックスデイズ・エクストリーム」だ。このタイヤについて、以前いつものエンデューロ仲間から「あれはエキスパート向けのタイヤですよ」という話を聞いたことがあった。そのときはそれが具体的にどういうことなのかまではわからないでいたのだが、今回実際に使ってみて「なるほど」とその意味がよくわかった。で、それはどういうことなのかってことだが、結論からいうと、攻めてこそ、その真価を発揮するタイヤだというところで「エキスパート向け」だということで、実際、ツーリングペースのような高いギヤでタイヤにあまりパワー=負荷がかからない走りでは、前後ともにあまり接地感がなく不安定な印象なのだが、シフトダウンし低いギヤで、スロットルを大きく開け、タイヤにパワーがかかるような攻めの走りに持ち込むや、まるで路面にすいつくような感触で安定感が増大。リヤタイヤは大きく滑っていながらも、ブレイクしてしまう素振りすら見せず、硬い路面でも軟らかい路面でもブロックががっちりと路面をとらえ、空転しながらも、タイヤがぐいぐいとバイクを前へ進めているのが手にとるようにわかるほどで、ブレイクしないから、ライダー心理としてはまるで転ぶ気がせず、そこからさらに攻めることができるという意味でもエキスパート向けのタイヤだということなんだろう。タイヤのブロックを観察してみると、ゴム質自体はとても柔らかいのだが、ブロックそのものには腰がありしなやかな感触で、これが硬質路面から軟質路面までの幅広い路面状況で、驚きのグリップとトラクションを発揮してくれる秘密ではないかとも思った。舗装路では、さすがにタイヤノイズが大きく、タイヤの接地面積も小さいことから無理は禁物だが、交差点などの倒し込みでも思いのほか違和感がなく、ハイペースのターマックランも難なくこなすタフさをも兼ね備えているのは、さすがに公道走行可能なFIM規格のエンデューロタイヤで、通常のモトクロスタイヤでは、こうはいかないところ。もとよりモトクロスタイヤでは公道は走れないことを考えると、ある意味理想的なタイヤといってもいいものだろう。昨年10月のどろんこ祭りで富士ケ嶺のオフロードコースをこのタイヤで走ったが、HP2の車重に負ける気配もなく、安心して攻めの走りに持ち込めた。

前後ホイールをツラーテックの軽量強化ホイールに換装。タイヤもメッツラーのシックスデイズエクストリームを履かせたHP2えんげつ号

これがツラーテックの軽量強化ホイール。前後ともハブはアルミ削り出し。リムはエキセルで、リヤは18インチとなる

バネ下の軽量化とハイパフォーマンスなシックスデイズエクストリームの合わせ技で、いっそう軽快な走りが可能となった。(写真はどろんこ祭り2007から)
■ARJ2007年11月号に寄稿したものを加筆修正して掲載しました。
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