posted at 2007 8 24 12:51 AM | 文化 | comments (0) | trackback (0)


「TAPESTRY つづれおり」1971年 オード

1. アイ・フィール・ジ・アース・ムーヴ
2. ソー・ファー・アウェイ
3. イッツ・トゥー・レイト
4. ホームアゲイン
5. ビューティフル
6. ウェイ・オーヴァー・ヨンダー
7. 君の友だち
8. 地の果てまでも
9. ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー
10. スマック・ウォーター・ジャック
11. つづれおり
12. ナチュラル・ウーマン
邦題で「つづれおり」というタイトルを与えられたキャロル・キングのいわずもがなの名作が、この「TAPESTRY」だ。きっとこのコラムを読んでいただいているみなさんのなかにも、「これなら持っているよ」という方も少なくないことだと思う。
1971年に発表され、グラミー賞を受賞。シングル「イッツ・トゥー・レイト」は71年6月に全米ナンバーワンヒットに輝いたほか、「ソー・ファー・アウェイ」も同年9月に全米14位を獲得。全世界で過去2000万枚のセールスを記録したロックアルバム史上屈指の名盤・・・ぼくの手元にある2004年にリリースされたデジタルリマスター盤CDのコピーには、そんないささか仰々しいともいえるコピーが記載されてもいる。
けれども、実際にこのアルバムを聞くと、そんな大仰なこととはまるで正反対ともいえる物静かで知的でそしてリリカルな彼女の音楽世界は、もしもそのコピーを期待して聞いたとしたら、こちらが拍子抜けしてしまうほどの「おとなしい」作品なんだが、聞き込んでいくうちに、どこまでも自然でナチュラルな彼女の歌声や、あるいはシンプルでエレガントなピアノのタッチやフレーズのはしばしに感じられる、彼女の持ち味でもある女性としてのりりしさや強さに何度となくはっとさせられ、気がつくとその歌声とピアノの音色に知らないうちにとりこになっている自分がいたりもする。
アルバム2曲目の「ソー・ファー・アゥエイ」、3曲目の「イッツ・トゥー・レイト」、7曲目の「君の友だち」とどれもあまりにも有名で、多くのアーティストがカバーし、また彼女自身もその後何度となく歌ってきた楽曲だが、やはり、このアルバムのなかで、このとき彼女が歌っているオリジナルのバージョンが、今聞いても本当に素晴らしく心打たれる。
彼女はその後、文字通りアメリカを代表する女性シンガー(&ソングライター)となったことは、みなさんもまたよくご存知のことだろう。それは日本のシーンでいえば、さしずめ五輪真弓、中島みゆき、あるいは松任谷由実あたりの存在感に匹敵するものにも映るが、このタペストリーのなかのキャロル・キングにはそんな大御所感など微塵もなく、そののびのびとした屈託のなさと、意図して作り出そうとしても決して出来るものではないういういしさは、本当に魅力的でもあると同時に、誰かによく似ているなあ・・・と、この夏のあいだじゅうこのアルバムを聞いていてふと思いあたったのが、シュガーベイブ時代の大貫妙子だったりもしたのだけれど、そんなことを思うのは、もしかしたら、ぼくだけかなあ。
はなしは少しそれてしまうが、その大貫妙子がいた初期のころのシュガーペイブのステージを、ぼくは一度だけ体験したことがある。あれがいつのことだったのか、もう正確には覚えていないけれど、きっとまだ大学生のころだったと思う。場所は神戸のライブハウスで、その店の名前ももう忘れてしまったけれど、小さなステージのうえの彼女(大貫妙子)も、そして山下達郎も、とてもういういしく溌剌としていたことは、今でもよく覚えている。
そして、そう思って、このタペストリーのアルパムを改めて聞いてみると、ジェームス・テイラーをはじめ、ラス・カンケルやダニー・クーチマーといった演奏陣が奏でる知的かつ控えめで、ちょっと軽妙なところがあるサウンドも、聞けば聞くほど、その初期のころのシュガーベイブに似ていると思えてくるから不思議なものだ。
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