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Jul 5

ミチハル的ライディング生活の手引き vol.3

スーパーエンデューロRはどうだ
  

BMWのHP2と並ぶ一方のメガオフの雄であるKTMの950スーパーエンデューロRが、ガレージにやってくることになった。このところはBMWの1100/1150GSや、KTMの950ADVといったビッグオフとはいえ、実態はオンオフツアラー的なマシンにずっと乗ってもいたわけだが、もともとKTMの600LC4やBMWのR100GSやXR400Rなどに乗ってもいたぼくとしては、やはり手元においておきたいのはツアラーではなくデザートマシン(ゲレンデシュポルト)だったりもして…。


というわけで、手元にやってきたスーパーエンデューロR。BMWのHP2を追いかけるようにして、ちょうど1年ほど前にデビューしたときから、その存在は気になってはいたのだが、今年の春先に別の誌面の企画(昨日の日記でおはなししたフリーペーパーの5月号)で、そのHP2とスーパーエンデューロRを乗り比べる機会があり、内心、これはもう950ADVに乗っている場合じゃないなあ…と思ったのが、そもそものきっかけだった。


と同時に改めて思ったのは、冒頭にも記したように、このところ長らく乗ってきたBMWのR1100/1150GSや、昨年来乗っている同じKTMの950ADVといったマシンは、ビッグオフとはいえその実態はオンオフツアラーであり、それはそれでいいとして、もともとはKTMの600LC4やR100GSやXR400R(本当は600Rあたりが気分なんだけど) といった、今思えばけっこう硬派なデザートマシン(ゲレンデシュポルト)=つまるところダートバイクをずっと手元においてきたぼくとしては、やはり相棒となるべき一台はツアラーではなく、そうしたかつてのデザートマシンのような存在なんじゃないのかってことだった。そしてそう思ってこの2台のメガオフを眺めていると、これこそが現代のデザートマシンかもしれないと思える節が多々あって、もうそうなると、いてもたってもいられなくなってしまったというのが、本当のところだ。


確かに足付きは最悪だし、おいそれとは全開になどできないパワーは、日本の狭いフィールドにはあっていないといえばあっていないかもしれないが、それはたとえばかつて所有していた600LC4やR100GSやXR-Rなんかもそうだったといえばそうだった。単なる道具としてみれば、ほかにもっと使い勝手のいいマシンがあるわけだが、それが現代のオフロードライダー=デザートライダーが日常的に手元におき、そのオフロード=デザートへの思いを託せる一台かどうかということになると、話は別だってことだ。個人的には、なんだかんだいっても落ち着くところに落ち着いたというか。その意味では、このスーパーエンデューロRに出会えたことは、ぼくにとって、やはりこのうえない幸せだというべきなんだろう。


で、そのスーパーエンデューロRだが、もちろん新車を購入できるほどの経済力はぼくにはないから「そのうち中古車でも出てきたら教えてください」と、いつもお世話になっているKTM埼玉CITYの古宅さんにはなしていたところ、思いのほか早いタイミングで程度のいい中古車がお店に入庫してきたとの連絡をいただき、この機会を逃したら、しばらくは巡りあえないかも…と思いきって購入を決意。繰り返すようだが、HP2と並ぶ一方のメガオフの雄として、また一台のまったく新しいオフロードバイクとしてはもとより、個人的には現代のデザートマシン=ゲレンデシュポルトとして、もっと日常的に接しながら、一台で普段の足からレースまで幅広く、しかも気ままに使い倒すことで、普段の生活のなかに、また「オフロード」というものを、もう少し取り戻すことができないものかなあ…というようなことを考えている。


というのも、最近はツーリングはツアラー。エンデューロレースはエンデューロレーサー。ラリーレイドはラリー専用マシンと、それぞれに細分化が進み、そのぶん洗練もされている一方で、反面、オフロードバイクはよくも悪くもそのための道具というニュアンスが強くなり、結果ふだんの足はクルマで、日常的にオフロードバイクに乗るという機会は、ほとんどないというケースも少なくない。むろん、それはそれでよいとしても、バイク乗りならやはり日常的にバイクという存在をもっと身近に感じていたいもの(西武開拓時代のカウボーイと馬の関係のように)。そして、そんな関係において、オフロードライダーとしての乗り手の思いを本当に託せるのが、かつてのXRやR100GSといったデザートマシン=ゲレンデシュポルトだとも、最近ぼくは思うことが多いのだが、メガオフには、どこかそんなかつてのデザートマシン=ゲレンデシュポルトにも通じる匂いがあるのと同時に、今回ぼくがこれを手に入れたいと心動かされたのも、実はその一点にあるといっても過言じゃない。というわけで、このスーパーエンデューロRには、ここしばらく乗っていた950ADVや、その前の1100/1150GSなどどは、またちょっと違った思い入れがあったりもする。そして、そんな思い入れを大切にした、現代のゲレンデシュポルト乗りのスタイルみたいなものも、このスーパーエンデューロRを通して表現できたらすてきなことなんだろう。


ちなみに長期企画でテストライド中のHP2も同様に魅力的だが、なにしろおいそれと手が出る価格じゃないし、以前に950ADVをチョイスしたときの1200GSと同じ意味で、HP2はすでに多くのひとが乗っているという点では、あえて今ぼくがオーナーとして乗らなくてもよいのかなあと思う次第…笑。


ダカールの栄光を背負ったメオーニレプリカとして、それはそれで大いに気にいっていた初期型の950ADVだが、うれしいことにぼくにかわって引き続き乗っていただける方も見つかった。同ADVがぼくの手元にあったのは、結局1年半あまりと長くはなかったが、メオーニレプリカの血統は、同じ950キャブレター仕様のLC8を搭載するスーパーエンデューロRにもしっかりと宿っている。そのことを忘れることなく、今度はこのスーパーエンデューロRに乗っていこうと思っている。
  
  
  
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これがこの夏から新たにぼくの愛機となったKTM950スーパーエンデューロR。HP2ももちろん悪くないのだが、ツインのピュアオフロード=メガオフとしての完成度では、やはりこちらに軍配があがるかなあ。価格などもずっと現実的だしね。もちろん、一台の新しいオフロードバイクとしても魅力たっぷりで、その走りの世界は、本当に乗るたびに感動と発見がある。また、現代のデザートマシン=ゲレンデシュポルトとしても、オフローダーの曠野への思いを託せる希有な一台だと思う。やっぱり、ぼくが手元におきたいのは、ツアラーではなく、デザートマシン=ゲレンデシュポルト=永遠のダートバイクなのだ
  
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遠乗り早駆け=ランや週末のファンライドだけではなく、普段のアシとしても日常的に使うために、ぼくの体格では、いささか難のある足付き性を改善するため、前後サスペンションは、まずフロントの突き出しを大きくし、これにあわせてリヤサスの1Gも走りに影響しない範囲でややサグを大きくとるべく、近々にいつものKTM埼玉CITYで、リセット作業を依頼しようと思っている。暑くなる時期だし、オイルも硬めのものに交換予定だ
  
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エンジンは同じLC8ながら、950ADVに比べてもより中低速に振られた印象で、オフロードでの扱いやすさが際立っている。とともに、ツアラーとのキャラクターの違いを、そんなところにも感じる。スピードは出して出せなくはないが、一切のカウリングを持たない車体は風圧の影響が大きく、ハイウェイなどの高速巡行は決して得意ではないのも、オフロードバイクっぽいといえばバイクっぽいかも。現行990ユニットにはない、初代950ADVメオーニレプリカの血統を受け継ぐ、洗練されていながらも荒々しいフィーリングが光るオリジナル950ccキヤブレター仕様のエンジンも、ぼくなんかにはたまらないところだ
  
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タイヤはメツラーのカルーTが標準装備される。コースでは少し役不足だが、公道ではオンオフとおしてすこぶる好印象。マディ路面など滑りやすいコンディションを除けばダートでもグリップ、トラクションは良好。ブロックパターンながらターマックでのタイヤノイズが極めて少ないのもうれしい
  
■バックオフ2007年8月号に寄稿したものを再録しました。

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